こんにちは、薬剤師の曽根です。
8月に入って暑さがより一層厳しくなってきましたね……。
夏真っ盛りということで、今回は水分補給についてお話したいと思います。
・1日どれぐらい水を飲めばいいの?
人の体の約60%は水分できており、1日の中で汗や呼吸、尿などによって体の水分の約2.5Lが失われてしまいます。食事や食べ物を分解した際に得られる水で約1.3Lは補給できますが、残りは食事以外で補給しなければいけません。従って、1日に必要な水分補給量は、約1.2L(500mLペットボトル約2本分)となります。
ただし、補給する際は一度に1.2L摂るのではなく、コップ1杯分(約150~250mL)の水分を、1日の中で6~8回に分けて摂取した方がいいとされています。
おすすめのタイミングは、朝起きた時、運動の最中や入浴後など汗をかきやすい時、睡眠前などです。
・清涼飲料水の飲みすぎはなんでダメ?
ジュースやサイダー、スポーツドリンクなどの清涼飲料水は喉越しがよく、暑い日にはうってつけですよね。特に、運動後によくスポーツドリンクを摂取する方は多いと思います。
ただ、おいしいからといって普段から大量に飲み続けていると『ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)』になる可能性があります。
ペットボトル症候群とは、ジュースやスポーツドリンクなど糖分が多い飲み物を過度に摂取し続けることで糖尿病のような症状が引き起こされる病気です。
炭酸飲料500mL中に約40~65g(角砂糖10~16個)、スポーツドリンク500mL 中に20~34g(角砂糖5~8個)といったように、清涼飲料水にはかなりの量の糖が含まれています。
糖が摂取されると、通常、糖をエネルギーとして利用する為に体内からインスリンというホルモンが分泌されて、体を動かす為のエネルギーになります。しかし、頻繫に清涼飲料水を摂取して高血糖が維持されるような状態が続くと、インスリンの分泌や作用が低下し、体内で糖をエネルギーとして利用できなくなってしまいます。この状態になると、体内では代わりのエネルギー源としてケトン体を精製するようになります。このケトン体は、筋肉などに蓄えられている脂肪やタンパク質を分解してできる物質で、一時的に脳や筋肉のエネルギーになりますが、ケトン体が多い状態が継続すると、血液内のpHが酸性に傾いて倦怠感、吐き気、喉が渇きやすい、尿量が増えるなどの症状を起こします。さらに重症になると意識が無くなるといったケースも起こります。これが、ペットボトル症候群です。
過ぎたるは猶及ばざるが如し、好きな飲み物でもほどほどにしましょう。
8月は熱中症が多い季節です。上記の事を踏まえながら、こまめに水分補給を行って下さいね。