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おくすりの保存方法【薬剤師ブログ11回目】

こんにちは、薬剤師の三浦です。

今回は、薬の保存におけるポイントを説明させて頂きます。

 

薬の保管に際し、気を付けなければならない事は温度湿度です。

 

まず温度について説明します。一般的に、ほとんどの薬は『室温保存』となっています。室温とは具体的には1℃~30℃と定められています。そのため直射日光が当たる場所や、夏季に冷房のついていない部屋、暖房機器の近く等を避ければ問題ないでしょう。なお、夏の車内の温度は50℃を超えると言われているため、夏に車に薬を置き忘れてしまった場合はもう一度受診し改めてお薬を出し直してもらいましょう。

 

また、一部の薬は『冷所保存』となっています。冷所保存の薬は15℃以下で保存しなければならない為、冷蔵庫で保存するのが無難です。ただし、冷凍保存の薬は無いため冷凍庫で保管することは避けましょう。お子様に多く処方されるシロップ剤は、一回の量を調節するために水が入っていて雑菌が繁殖しやすくなっている場合があるため、基本は冷蔵庫で保存し、処方日数を過ぎたら廃棄して良いでしょう。坐薬は室温保存で良いものもありますが、基剤が体温程度の温度で溶けるようになっているため、同じく冷蔵庫での保存がおすすめです。

 

薬は光によっても劣化や変質が起こります。その点から言ってもやはり直射日光は避けるべきです。通常の薬なら日光を避けられればさほど問題はありませんが、薬によっては室内灯でも影響を受けてしまうものもあります。そういった光の影響を受けやすい薬は最初から遮光性のある包装が施されていたり、薬局の方で遮光袋を用意してくれるはずなので、薬は裸のまま置いておいたり袋から出しっぱなしにしないようにしましょう。

 

湿気もまた薬の変質の原因となります。まず、台所や洗面所、お風呂等の水回りに薬を保管することは避けましょう。また、粉薬・顆粒剤・一部の錠剤などは特に湿気に弱いので、可能であれば缶などの気密容器に保管することが推奨されています。

 

なお、冷蔵庫は温度、光、湿度を避けられるため全ての薬の保管に適していると思われがちですが、出し入れした時の温度差で結露してしまい逆に湿気てしまうこともあります。そのため使用頻度の少ない予備の薬であれば良いですが、毎日服用する錠剤や粉薬は敢えて冷蔵庫で保管しなくても良いでしょう。

 

今回のお話は以上です。参考にして頂けると幸いです。

なお、色が変わっていたり粉が固まっていたりと貰った時と薬の様子が変わってしまっていた場合、薬が劣化・変質して当初の効果が期待出来ない可能性があります。何か変化に気付きましたら、薬剤師に相談してください。